診療内容
治りにくい皮膚病
白斑
従来の治療で治りにくい場合も、光線治療(エキシマライト、ナローバンドUVB照射装置)で効果を期待できることがあるので、まずは10回程度、週2回くらいのペースで照射してみることをお勧めします。
乾癬(かんせん)
各種外用剤を上手に使って症状をおさえていくことを目指します。それでも難治の皮疹には、光線治療(エキシマライト、ナローバンドUVB照射装置)で効果が期待できますので、まずは10回程度、週2回くらいのペースで照射してみることをお勧めします。爪乾癬にも効果が期待できます。また、光線治療と同時にはできませんが、期間限定で免疫抑制剤(ネオーラル)を内服して皮疹を消失させることが可能な場合もあります。採血で全身状態を確認のうえ、副作用に注意しながら内服していただくことになります。
最近使用できるようになったオテズラ錠は、副作用の点でネオーラルよりも格段に使いやすい内服薬です。高価ですが、軟膏塗りの煩わしさから解放されて喜んでおられる患者さんもいます。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
原因・増悪因子となりそうな、歯科・耳鼻科・内科領域の病巣感染や喫煙、金属アレルギーがあれば、それらを除去するとともに、現時点で生じている皮膚症状を抑えるべく全力を尽くします。光線治療(エキシマライト)も効果が期待できます。
円形脱毛症
正しい診断・病状評価のうえ、適切な治療法をご提案します。
2020年4月から、円形脱毛症に対する光線療法に健康保険が適用できるようになりました。ステロイド外用を3か月ぐらい行っても発毛がない場合には、週1~2回エキシマライトを照射するか、月1回ステロイド局注(脱毛しているところに注射)するか、ご提案することになります。
アナフィラキシー
アナフィラキシーは重篤な全身性のアレルギー反応であり、通常は急速に発現し、最悪、死に至ることもあります。
アナフィラキシーの誘因・原因としては、食物(約68%)、薬品(約12%)、食物と運動(約5%)、ハチ(蜂)などの虫刺され(約4%)などとされています。
原因を避けるようにしていても、事故(誤食、蜂刺されなど)が発生することがあります。
アナフィラキシーが起こった場合の薬物治療の第一選択はアドレナリンの筋肉注射です。直ちに注射する必要があります。自己注射用のアドレナリンを常に携帯し、必要なときに直ちに自己注射できれば救命率が上がります。
エピペンは、自己注射のためのアドレナリン製剤です。アナフィラキシーの既往がある方やアナフィラキシーの危険性が高い方には、健康保険が適用されます。
エピペンはアナフィラキシー治療補助薬として自己注射できますが、いざという時に適切に使用するためには、日頃から打ち方の練習をしておくなど準備が必要なことはいうまでもありません。また、エピペンの自己注射のみで治療が完結するするわけではありません。注射後直ちに救急対応の医療機関を受診して診察・治療を受ける必要があります。
当院では、アレルギー検査やエピペンの処方、使用法のご指導等はできますが、救急対応はできません。
ハチ(蜂)毒アレルギーについて
ハチは世界で13万種、日本では約5000種いるといわれていますが、ヒトに攻撃したり、刺したりして問題となるハチは、アシナガバチ類、スズメバチ類、ミツバチ類等の一部の種類です。ハチ刺傷によるアナフィラキシーは、アシナガバチ、スズメバチ、ミツバチの順に多いそうです。
ハチに刺された時に、その部位から広範に腫脹が広がり、数日間続くような局所反応になった場合や、短期間に2回刺された場合は、再度のハチ刺し事故によってアナフィラキシーを起こしやすくなるといわれています。また、大量のハチ毒が皮膚から侵入すれば、ハチ毒の抗体検査が陰性だったヒトでも、初めてのハチ刺し事故でもアナフィラキシーを起こすことがあります。
ハチ刺傷の予防
- 服装:肌は露出せず、身に着けるものは黒色のものは避け、明るい色(例えば白、明るい緑、黄緑、カーキ色等)にする。また、つばの広い帽子等をかぶり、頭を露出しないようにする。
- 匂い:ヘアスプレー、ヘアトニック、香水等の化粧品はハチを刺激するので注意する。
- その他:ハチは死んでからでも、また、腹部だけでも24時間以内に触れると毒針で刺される可能性があるので注意する。
ハチと出会ったときの対処法
- 目を閉じて顔を下向き加減にし、静止する。ハチが巣に戻った後、静かに後退する。地表すれすれに飛び回るハチの場合はハチと反対の方向に後退する。
- いったん、ハチの攻撃を受けると攻撃に参加するハチは次第に増えるので、一刻も早く現場から離れる。
- スプレー式殺虫剤を携帯している場合は、ハチに向けて噴霧すると効果がある。